イネの生育ステージまとめ
公務員農業職の栽培学汎論の対策です。
イネの成長過程をざっくりとまとめてみました。
生育ステージの概要
イネの生育ステージは大まかに以下のように分けられます。
稲の生育ステージの概要です。
(図では別になっていますが、穂ばらみ期は幼穂形成期の一部だそうです)
主な作業はだいたいの時期です。
それぞれのステージについてまとめていきます。
(活着期の前に種子の予措や育苗がありますが、別の記事でまとめます)
活着期
田植え後の7日程度の期間です。
活着するまでは深水管理とします。
この時期は多くの水を必要としています。
また、気温水温ともに高い方が活着は早いです。
分げつ期
活着すると分げつを増やしていきます。
(分げつは他の植物でいう枝にあたります)
分げつ期は細かく分けると3つになります。
- 分げつ開始期
- 有効分げつ決定期
- 最高分げつ期
有効分げつ決定期以降の分げつは無効茎になります。 有効茎数は地域ごと品種ごとに概ね決まっています。
この時期以降の水管理では 間断灌漑 を行います。
間断灌漑:湛水と落水を繰り返す水管理です。落水することにより根に酸素を供給し、根の老化も防ぎます。
また、有効分げつ決定期からの最高分げつ期の無効分げつ期間には 中干し を行います。
中干し
落水して田面に亀裂がはいるまで乾かす作業のことです。
中干しには以下の利点があります。
幼穂形成期
幼穂が分化し始める期間が幼穂形成期です。
気温が下がる恐れがある場合は10cm程度の深水管理とします。
また、この時期には 「穂肥」 と呼ばれる追肥を行います。
穂肥
幼穂形成期に行う追肥のことです。
- 1穂籾数を確保し、登熟を向上させる
- 葉身の光合成活性を高めて幼穂の発育を促進し、穎果数を増加させることを通じて収量を向上させる
- 下位節間を伸長させ、倒伏の危険性が増す
デメリットもあるので、穂肥は早すぎないようにします。
出穂期
穂が止葉の葉鞘から出始めたときが出穂です。幼穂形成期からは約25日です。
出穂期は3段階に分けられます。
- 10%出穂:出穂始期
- 50%出穂:出穂期
- 90%出穂:穂ぞろい期
穂ぞろい期になるまでは1週間以上かかります。
また、穂ばらみ期から出穂、開花期では地上部の生育量が最大となり、多量の水を必要とするため灌水します。
これを 花水 と呼びます。
また、穂期から穂ぞろい期の前後では 実肥 と呼ばれる追肥を行います。
実肥
出穂期から穂ぞろい期(主に穂ぞろい期)に行う追肥のこと。
- 葉面積あたりの光合成速度を上昇させ、登熟を向上
- 玄米中のタンパク質含量を多くし、食味を低下
登熟期
開花から収穫までの期間です。
寒冷地では45~55日、暖地では30~35日程度です。
この時期は最も高温の影響を受けやすいです。
高温に遭遇すると白未熟粒が多くなります。
高温耐性品種や遅植えや晩成品種による出穂期の移動、水管理などの対策が行われています。
落水は出穂後30日目ごろです。 水捌けの悪い水田ではコンバインが走りやすくするために、早期に落水する場合があります。